るこう草
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るこう草が咲いた

 今年もるこう草が咲いた。


 星のかたちをした赤い花だ。
ぶどうの蔓や時計草を足がかりに空に向かうようにその蔓をのばし、小さな葉陰もこしらえる。お店を緑色で縁取り、カンカン照りの夏日を少し和らげてくれた。
セミの鳴く夏の朝が静かになり、夕暮れにこおろぎの声を聞く頃、その小さな蔓に赤い花が咲く。
 朝、咲いて昼には閉じてしまう一日草。決していっせいには咲かない。一つ、二つと咲く。
小さい花だが鮮やかな赤色であるから、見つけるより先に目が奪われる。まるで見られているのは自分のようでさえある。
 これから、しばらくの間咲いた花を一つ、二つと数えるのが楽しみである。



           新るこう草           (2,010年加筆、修正) 

     るこう草の花が咲いた
     ぶどうのつるの樹勢が終わり
     大きな葉っぱが枯れてはだかの枝
     その枝に絡むように、蔓は小さな扇状の葉を抱え、するすると伸びている
     がんばれ, なんて声をかけたくなる小さな花     
    
     るこう草の花が咲いた
     空をめざす小さなつるは てんとう虫の道
     てんとう虫は登る
     トコトコ トコトコ
     緑のはしごを登る
     つるの先までたどりつくと飛来する
     決して途中では飛ばない
     てんとう虫は天道虫
     るこう草は星の花
     遠い空をめざす旅びと

     るこう草の花が咲いた
     夏の終わりにつぼみをつける
     惜しむようにつける
     いち、にの、さん
     てんとう虫が飛んだ
     ゆらりとつる、ゆらりとつぼみ
     道しるべのるこう草は星の花をはらむ

     るこう草の花が咲いた
     赤い星のカタチ
     いちじるしい赤 深々と赤い
     イノチのハナ
     小さな扇の葉に腰掛けるように
     ひとつ ふたつと咲いた   
     摘んだりしたら泣き出しそうな赤い花
    
     るこう草の花が咲いた
     小さな緑色のはしごをお供にして
     星のカタチをした赤い花が咲いた
     摘んだりしたら泣きそうな愛おしい赤い花

     るこう草の花が咲いた
     ぼくのココロにるこう草の花が咲いた
     あなたのココロにるこう草の花が咲いた
     僕のココロが登る
     てんとう虫と登る
     ぼくのココロがまた登る
     あなたを登る
     あなたと登る
     星の花束を抱えトコトコ登る

     るこう草の花が咲いた
     あなたとぼくの間にるこう草が咲いた
     赤い星のカタチをした花
     夢のように咲く
     一日草
     きのうのお花はぼくの花
     けさののお花はあなたのお花 
     あしたのお花はわたしたち
     そのあと咲くのはだれの花     
 。

                     1998年  高橋秀夫 (2,010年修正版)
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by hidesannno | 2012-02-16 19:23

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